「よろしくお願いしま……あ」

 右腕を動かせない翠くんに、明志くんが目を丸くした。

「お前、そんな状態で……信じられないやつだな」

 翠くんが困ったように笑うと、明志くんは左手を出し直し、二人はかたい握手を交わした。
 すると、ERRORsと龍乱會のメンバーがはじけるように歓びだした。

「さすが総長~~!!」「まさかこんな結果になるなんて誰も思ってませんでしたよ!!」
「龍乱會と協定!!よっしゃぁー!!」

 さっきまで喧嘩していたはずの龍乱會とERRORsが握手をしたり、肩を組んだりして笑い合っている。
 よかった……!本当によかった!
 感激していると、龍乱會のメンバーに抱きつかれている翠くんと目が合った。
 翠くんとアイコンタクトで笑い合う。
 誤解が解けて、チーム同士も打ち解けた。
 これでもう私たちの前にはなんの弊害も……

「で。これは苺花の兄として言う」

 明志くんが言って、ドキッとする。
 翠くんも固唾を吞んで明志くんの言葉を待っている。