「おい、どういうことだ。いま苺花はJesusの残党のところにいるってことか……!?」

 明志さんが目に動揺を含ませて僕に詰め寄る。

「全部安護が裏で糸引いてたんですよ。龍乱會とERRORsが潰し合って疲弊してるところを乗っ取ろうとでも思ってるんじゃないですかね」
「なんだと……!?」

 明志さんが悔しそうに頭を掻いた。
 とにかく、こんなゆっくり答え合わせをしてる場合じゃない。
 僕は特攻服を橙に預けて、アイコンタクトする。
 橙は一瞬心配そうな顔をして、でも力強く頷いた。
 そして僕は走り出す。

「おい!待て羽根村!どこに行くんだ!?」

 明志さんが僕を引き留める。

「一人で行く気か!」
「はい。一人で来いとのことなので」
「罠に決まってるだろう!」

 そうだよ、と口を挟むのは蒼依さん。

「それにお前、肩やってるだろ」

 そう言って僕の肩をグッと引くので、痛みに顔を顰める。

「そんなやつに苺花の命任せらんねぇよ。俺たちも行く」