「明志さん!苺花は本当にここにいません!ていうか明志さん達がずっと見張ってたんじゃないんですか!?」
「う、うるせぇ!!いいから苺花を返せっつってんだろうが!!」
「だからいないんですって!」
「しらばっくれんじゃねぇ!!」

 力負けして押され、しかたなく避けると避けた先の机が代わりに明志さんのパンチを受けて、グニャリとひしゃげた。
 それを見ていた龍乱會のメンバーがサァ、と顔を青くした。
 青筋を立てた明志さんは、獣のようにフーフーと鼻息を荒くして近付いてくる。
 ……仕方ない。
 明志さんに太刀打ちできるのは、僕しかいない。
 僕も本気で行くしか……!

「待ってください、明志さん!そいつは俺にやらせてください!!」
「!モモ……!」

 奥から、ERRORsのメンバーらしい男がもの凄い怒りを顔に浮かべてやって来た。
 モモ、と呼ばれているけど、見たことのない男。

「あんたが龍乱會の総長だな。俺の大事なルリを傷つけやがって……!」

 ルリ……?
 そうだ、前に苺花がJesusのアジトで僕に襲われたと勘違いしてる女の子がいるって言っていた。
 その女の子の彼氏か……!?

「ぜってぇ許さねぇ!!」

 モモ、と呼ばれた男が殴りかかってこようと大きく拳を振りかぶったので、応戦しようと身構えた。