三人目を戦闘不能にさせたとき、右肩に痛みが走った。

「っ、」

 その瞬間、上から飛び込んでくる影。

「!!」

 総長、藤堂明志。

「羽根村ぁぁぁぁああ!!」

 よけきれず、頬に思い切りその拳を食らった。

「グッ!!」

「翠さん!!」

 かろうじて立ち続けてる僕に、すかさず橙が駆け寄る。

「大丈夫すか翠さん!!」
「ケホッ……うん」

 本当は、大丈夫じゃない。
 相変わらず藤堂明志のパンチは重たくて、口の中に鉄っぽい血の味が広がった。

「てめぇ羽根村ぁ!!苺花をどこにやった!?」
「落ち着いてください、ここにはいません……!」
「あぁ!?ふざけんな!『苺花は預かった』って連絡寄越してきたのはてめぇらだろぉが!!」
「龍乱會から連絡が来たってことですか……!?」
「そうだ!知らねぇとは言わせねぇぞ!!」

 だめだ、冷静さを欠いていて話にならない。