「お前、大人しそうに見えてなかなか肝っ玉座ってんな。なぁ、苺花。負けた総長の女なんか最悪だろ?俺の女にならねぇ?金ならある。なーんでも買ってやるよ?」

 そう言って頬に触ってくるので、瞬時に顔を背ける。

「あなたみたいな最低な人の女なんて、死んでも嫌です!」

 すると、目の色を変えた安護が私の胸倉をつかんだ。

「!」
「ガチで死なせてやろうか?ああ?」

 その目には本当になにかしでかしそうな冷たさがあった。
 男女関係なく手をあげる、最低な人。
 さすがに怖くなって、サァッと血の気が引いた。
 その時、背後のドアが勢いよく開いた。

「安護さん!取り込み中失礼します!」

 男の人が畏まって頭を下げた。
 さっき安護が言ってた『下僕』の一人だろうか。

「ERRORsに潜り込んでるやつから連絡が来ました!」

 ERRORsに潜り込んでるやつ……!?ERRORsにもNewJesusの人間がいたってこと!?

「計画通り藤堂三兄弟が怒って、これからERRORs総出で龍乱會に向かうそうです!」

 ……!

「あっはははは!計画通り過ぎて笑っちまうぜ!これからもーっと面白くなるぜぇ?」

 安護の高笑いが事務所内に響いている。
 みんな……!翠くん……!
 お願い、戦わないで……!!