私は身の回りの少しの荷物だけ持って、走り出した。

「待って苺花!私も行くよ!」
「ううん、ルリはゆっくりしてて!」
「でも、苺花を一人にしないでって明志さん達からも言われてるし、」
「大丈夫!学校まですぐだし、走るし!」
「えぇっ、でも……」
「ルリごめん!一刻を争うの!」

 私はそう言い残して、家の外へと飛び出した。
 学校までの道のりをできる限り足を速めて走る。
 翠くんじゃないってことだけはっきりしたけど、結局誰がルリを襲ったのか……。

 『背が大きくて、ピアスがたくさんついてた。耳と鼻と、あと眉にも』
 
 その特徴は、私の知ってる人たちの中にはいない。龍乱會でも見かけなかった。
 ということは……