ルリには酷なことをしてしまった。
 でも……これではっきりした。
 翠くんはやっぱりやってない。
 はやくお兄ちゃんたちに知らせなきゃ……!
 スマホで連絡……は、没収されてるんだった……。

「ルリ、ごめん!スマホ貸してくれないかな。お兄ちゃんたちに連絡したいの!」
「明志さん達の連絡先はわかんないけど……モモに電話してみよっか?」
「うん!お願い!」

 ルリがスマホを取り出して、さっそくモモに電話してみてくれる。

「うーん、出ないなぁ……あ、いま集会中だ!」
「そっか!」

 時間的に集会はまだ始まったばかりで、このあと一時間ぐらいはやるはず。
 ここから学校までは歩いて10分ぐらいだ。直接行ったほうが早いかもしれない。

「ごめん、ルリ!」

 私が立ち上がるのを、ルリがきょとんとした顔で見上げる。

「ちょっとボランティア部行ってくる!」
「え?今!?」
「うん!」