「じゃ、お兄ちゃんたち!もう行っていいよ!」

 さぁ!と玄関のドアを案内するように手を差し出す。

「え~お兄ちゃんたちいちゃダメなの?」 
「苺花、急に元気になったと思ったら急にあたり強い」
「はいはい、行きますよお兄さんたち~」

 名残惜しそうな明志くんと不服そうなゆずくんを蒼依くんが外に連れ出してくれる。
 今日は集会の日で、いつもだったら私も一緒に行くのだけど、今日はルリと遊ぶ約束をしていたので、二人でお留守番することにしていた。

「ルリ。苺花のこと頼むぞ。家から出さないように」
「わかりました!」

 うぅ……仲直りはしたけどやっぱり監視体制が変わるわけじゃないみたいだ。
 それからお兄ちゃんたちを見送って、さっそくリビングでルリが持ってきてくれた箱をあけた。
 中には、色とりどりのカップケーキ。ふわっ、と甘いバターの香りが漂う。