キッ、キス!?

「ここでいいよ」

 ゆずくんは自分の頬を指さした。
 その顔に切なさはもうなくて、むしろウキウキした顔だ。

「えっ、で、でも、さすがにキ、キ、」

 その単語を言うことすら恥ずかしい……!

「大丈夫だよ。僕は苺花のお兄ちゃんだよ?ほら、仲直りのキス、して」

 ゆずくんがずいっと私に頬を差し出す。
 冷たい態度で傷つけちゃって、本当に申し訳ない気持ちはあるし……ほっぺならいいかな……?
 ゆずくんと向き合って顔を近づけた、次の瞬間。
 体が勢いよく後ろに引っ張られた。

「「!」」