また別のある日の朝。
 リビングのソファでぼんやりテレビを見る明志くんとゆずくんがいる。
 私は決意を胸に、二人の元へ行って二人の間にちょこんと座った。

「苺花……?」

 それまで冷たい態度をとっていたはずの私を、二人が目を丸くして見る。
 見守られながら小さく深呼吸した。

「……ちょっと意地になっちゃってた。私のためを思ってしてくれたことだって頭ではわかってたけど、辛くて、悔しくて。ごめんなさい」

 翠くんと会えなくなったことは悲しかったし、その状況を作ったのは間違いなくお兄ちゃんたちだ。だけど、翠くんが頑張る姿を見て、私が今するべきことは明志くんたちに冷たくすることじゃないってわかった。それに明志くんたちだってそうせざるを得なかったんだと思う。
 もしお兄ちゃんたちに好きな人ができてその相手が危険だってわかったら、私だって必死に止めると思う。
 お兄ちゃんたちのことが大好きで、大事だから。

「苺花……許してくれるのか……?」

 信じられないって顔で私に聞く明志くんに、小さく頷いた。