「そう言えば最近総長と柚生さん元気なくないっすか?」
「あ~……夏バテかなぁ?あはは」
 
 みんなには私が翠くんと付き合ってることも、お兄ちゃんたちと喧嘩したことも言ってないんだよね……。
 でも昨日龍乱會で翠くんが堂々と私を『最愛の人』って言ってくれたし、ERRORsメンバーの耳に入るのも時間の問題かもしれない。

「あのね、みんなに聞きたいことがあるんだけど、いい?」
「もちろんです!なんでも聞いてください!」
「最近龍乱會と悪い空気になってるでしょ?なにが原因でこうなってるのか知ってる?」

 お兄ちゃんたちは、龍乱會の人にメンバーがやられて、それを火種に大きくなっていったって言ってた。
 龍乱會がERRORsにケンカを売ってきているって認識みたいだけど、翠くんの話ではERRORsからだって……。

「俺とこいつで街巡回してる時、突然後ろから殴られたんすよ!」
「そうそう!で、振り返ったら龍乱會のジャケット着た二人組が逃げてって」

 みんなその時のことを思い出して興奮した様子で怒っていて、嘘を言ってるようには見えなかった。
 龍乱會のジャケットを着た二人組かぁ……。

「そうなんだ……教えてくれてありがとう」

 他のみんなにも話を聞いて回った。
 みんな同じような感じで、龍乱會のジャケットを着た男二人組にやられたと言う。