「……!新入りか!?」

 この春から入った新入りの二人。 苺花をさらってきたやつらだ。
 そこでようやく二人も僕の顔を見て気が付いたらしく、大きく舌打ちをすると、砂利を掴んで僕に投げつけた。

「っ、」

 その隙に二人は、ジャケットを脱ぎ捨てながら逃げていく。
 ……そうか。やっぱり。

「お兄ちゃん、大丈夫……?」

 小学生の男の子が心配そうに僕を見つめている。

「うん、大丈夫だよ。君も大丈夫?怪我無い?」
「うん……!」
「よかった」

 男の子に怪我がないだけでもよかったと、頬を緩ませた。
 そして男の子が落とした荷物と雑に脱ぎ捨てられた龍乱のジャケットを拾う。

「っ……、」

 右肩に激痛が走った。
 あんなやつらにやられてしまったことと、今まさに龍乱會に巣食おうとしてる〝ヤツ〟の存在を確信して、胸の中に煮えたぎるような悔しさが芽生えた。