「いただきます」

お弁当食べてお腹いっぱいだけどせっかくだからちょっと食べようかなってパクッとパンにかぶりついた。

ふわふわっ!おいし、ふわあまっ!

「うまいっしょ?」

「うん、おいしい!ふわふわで甘くて、クリームがとろけておいしい!」

「そうなんだよー、購買のパンよりおばちゃんが作ったパンのがうまいんだよな~!」

え?おばちゃんが作ったパン???

「えーーーーーーーーーーーっ!!?」

値札も梱包もされてない意味がわかった、これ購買のおばちゃん手作りパン…!?

「リアクション最高だよ」

口を押さえて堪えるように笑っていた。

いや、全然堪えられてはないよ。

普通に漏れちゃってるよ。

「いろは反応おもしろいからどんな反応するかなって、ちょっと期待しちゃったんだよね」

「……。」

それは…ご希望通りの反応はできてたのかな?

てゆーかやっぱ反応がおもしろいと思われてるんだ。

小刻みに震えながらふふふっと声を漏らして、手に持ったパンが虚しそうに食べられるのを待ってる。

「ちょっと…っ、笑い過ぎじゃない!?」

「ごめんごめん、だって思ってたよりも声出てたから」

「…。」

恥ずかしい、そこ指摘されるとは思ってなくてより恥ずかしい… 

だってまさかおばちゃんの手作りパン食べるとは思わないもん。

「おばちゃんはパン屋さんか何か?」

「ううん、一般主婦!」

「売るより作った方がいいんじゃ…」

「オレもそう思う!」

それくらいおいしくてビックリした。

だから叫び声も一段と大きくなっちゃった。

2階までの階段を上り終えた、あともう1階。やっぱり3階まではちょとある。