「こんにちは。
 わたしはローラ・フェルドンです。
 この子は3歳で、メラニーです。
 今日は急に来て、ごめんなさい。
 スチュワート様から聞いていた通り、ミルドレッド様は本当に可愛らしいひとですね」

「……わたくしの方は、スチュワートからはフェルドン様のお話は伺っておりません」


 初対面なのに丁寧な言葉遣いもせずに、友人のようにごめんなさいと言われた。
 貴族である夫や自分の名前を馴れ馴れしく呼んだ。
 わたしに向かって、可愛らしいひとですね?


 挨拶しただけなのに、平気な顔を続けるのが辛くなってきた。
 後はハモンドに任せるか、カールトンを呼ぼうか。
 いっそ、リチャードを呼んで。
 この無礼な女を怒鳴り付けて貰おうか。



「わたしのことを、スチュワート様から聞いていらっしゃらないのは……
 まぁそうでしょうね、言えるわけないですからね。
 でもわたしの方は、ミルドレッド様のことはよく聞いていましたよ。
 お子様が出来たと言うのも知っています。
 もう6ヶ月でしょうに、お腹が目立たないのはお若くて、痩せ形だからかしら?
 ミルドレッド様は悪阻がきつかったんですよね?
 それで、これからはなかなか会いに来れないから、次に会う時にはある程度まとまった額を渡すと、スチュワート様に言われていたんです」