式にはかの国からフェルナンド公も参列して、その護衛の多さにキャサリンは驚いた。
 息子から彼のファーストネームは聞いていても、どんな立場の人間か知らなかったからだ。


 そのことを、メラニーは日記に綴った。
 それを後から見せられたジャーヴィスは、大笑いしたと云う。


『フェルナンおじ様にごあいさつされた、ウィンガムのぜったいおうじゃのキャサリン様は急にくらくらして、そっとうしそうになって、ヴィス様がうけとめなかったら、もう少しでお式が中止になるところでした』




 誰の養女にもならずに成人したメラニー・フェルドンは、ギャレット商会に就職し、その言語力を生かして、調査部で初の女性部長になった。


 ユリアナ・バークレーは王都邸の執事のタッカーと結ばれて、メラニーが遊びに来ると彼女の好物を作った。


 ミルドレッドの2番目の息子アレックスがジャーヴィスの養子となり、キャサリンが亡くなると。
 ジャーヴィスはアレックスが貴族高等学院を卒業して1人前になったと判断した後、伯爵位を譲って。
 これからは好きに生きると決めて、ウィンガムを離れた。