「何だよ、まだスチュワートから貰ったものに縋るのか!
兄上だって、お前に何も言わなかったんだろうが!
俺みたいに知らなかったんじゃない、知っていたのに話さなかったんだ!
手袋が何だ? そんなもの、どうでもいいだろ!
こっちを見ろ……」
スチュワートから貰った手袋をどうでもいいと言うのか!と。
手にした書類も何もかも投げ捨てて。
イアンがレナードを殴り付けようとした、その時。
ミルドレッドがおかしそうに、笑った。
「貴方とマリーお義姉様が、そういう関係を続けていらっしゃること、王家もご存じですのよ。
おふたりが恋愛関係であるからこそ、これ程の早さで相手を取り替えることを決定されたのです。
サリー嬢なら我慢も致しますけれど、義理とは言え、姉妹で男性を共有するのは、わたくしは遠慮させていただきます。
そして、その口で。
旦那様とわたくしについて語るのは、もう止めていただけませんか。
ご理解したなら、四の五の言わずに大人しくしててくださいませ」
この日、ミルドレッドがレナードに笑いかけたのは、この言葉を伝えた時のみ、だ。
兄上だって、お前に何も言わなかったんだろうが!
俺みたいに知らなかったんじゃない、知っていたのに話さなかったんだ!
手袋が何だ? そんなもの、どうでもいいだろ!
こっちを見ろ……」
スチュワートから貰った手袋をどうでもいいと言うのか!と。
手にした書類も何もかも投げ捨てて。
イアンがレナードを殴り付けようとした、その時。
ミルドレッドがおかしそうに、笑った。
「貴方とマリーお義姉様が、そういう関係を続けていらっしゃること、王家もご存じですのよ。
おふたりが恋愛関係であるからこそ、これ程の早さで相手を取り替えることを決定されたのです。
サリー嬢なら我慢も致しますけれど、義理とは言え、姉妹で男性を共有するのは、わたくしは遠慮させていただきます。
そして、その口で。
旦那様とわたくしについて語るのは、もう止めていただけませんか。
ご理解したなら、四の五の言わずに大人しくしててくださいませ」
この日、ミルドレッドがレナードに笑いかけたのは、この言葉を伝えた時のみ、だ。