同じ話をスミスさんから聞いていて、お兄様とギャレット様はそこに直ぐに気が付いた。
 それに比べてわたしは、お義父様のことをなんて冷たい人なんだろう、なんて……


 ミルドレッドは、深読みが出来ないことに落ち込みかけていたが、他のふたりは既に次の話題に移っている。
 そうだ、この調査はメラニーがスチュワートの子供ではないことと、ローラが彼の愛人じゃなかったことを、証明させる為だった。
 
 ミルドレッドは余計な感傷に浸っていた自分を戒めた。



「マッカートニーは予約制だろう?
 御本人に会うどころか、中にも入れない」

「ここで、貴方のお貴族様パワーを発揮するんです。
 幸いアダムス夫人もおられますから、パワーは倍増してます」

「……お貴族様パワーって何なんだ?
 いくら貴族でも、予約の横入りは」

「パワーとは、その家名とお顔の良さですよ。
 レディマッカートニーは、昼の3時間は予約を入れないし、必ず店に居ます。
 彼女が人前で食事をしないのは有名な話なのに、先輩がご存じないとは。
 如何に貴方が女性とのお付き合いがないか、知れました」

「……」