上田夏姫(ウエダナツキ)

小2

告白された事は何度かあったけど、人を好きになったこと1度もなかった。


そんなあたしの、長い、長い初恋



4月

クラス替えがあった。
自分の名前が呼ばれてからはずっとボーっとしていた。

そして、教室を移動する時になった。

『2―1』
教室の札が見えて、教室に入った。

知らない人だらけ。

誰が誰だかわからなかった。

あたしは、適当にあいてる席に座った。

辺りを見回すとあたしは1人の男子で目が止まった。


キーンコーンカーンコン

チャイムと同時に先生が入って来た。

『あいてる席に座って下さい!今から簡単な自己紹介をします。じゃあこっちから』

またあたしは聞き流した。

あたしの番が終わって、あの男子になった。

『河嶋紫苑(カワジマシオン)です。』

河嶋紫苑かぁ~

あたしの心は、彼の名前を知ったことで、明るくなった。

紫苑はすごく性格が良くて、男子からも女子からも気軽に紫苑って呼ばれていた。



紫苑が、楽しそうに、女子と話してると

女子が紫苑って呼ぶと

あたしの心の中は

モヤモヤした





そんなことが4ヶ月くらい続いた。

そして、席替えがあった。


くじ引きだった。

『結果を発表します』

先生が言った。


あたしの隣り

紫苑?

黒板の座席表を確認する

上田の隣りに、河嶋と書いてあった。


なんか、嬉しかった。


これって、

この気持ちって、

恋?

やっと気付いた。

やっと気付けた。あのモヤモヤの正体

あたしの初恋は

河嶋紫苑。


そして今、紫苑はあたしの隣りの席にいる。



あたしの心はモヤモヤもなくなって、本当の気持ちも分かって、随分軽くなっていた


『よろしく』

ん?今、紫苑に話しかけてくれた?

『なっちゃん!よろしくね』