今回のお茶会の主催はルーシアで、イヴが伝言を頼まれた相手というのがロメリアだった。
そのロメリアはイヴに頬を寄せると、じとりとした目をウィリアムに向ける。
「お兄様こそ、お呼びじゃないのにどうして来たんですの? お呼びじゃないのに」
「二回も言うな。イヴなら心配ないと言ったんだが、ジュニアがどうしても納得しなかったんだ」
そのジュニアが、だって! と声を張り上げた。
「イヴさんのことを、どこの馬の骨か分からない女の子供だって……」
「「「「──は?」」」」
「ふぎゃっ……お、俺が言ったんじゃないんですよぉ!」
「はいはい、うちのカワイイ孫がごめんなさいねー。殺気をしまってちょうだいねー」
ウィリアムとオリバー、ロメリアとクローディアの鋭い視線が、元々の発言の主ではなくジュニアに突き刺さる。
震え上がる彼を、マンチカン伯爵が慌てて庇った。
当のイヴは、平然とした顔で口を開く。
「私は別に、あんな風に言われても傷ついたりしませんよ。だって、ルーシアさんの暴言はだいたい自虐ですし……」
「えっ、自虐って……?」
首を傾げるジュニアに、ルーシアはイヴの陰に隠れて──実際はイヴより上背があるため全然隠れられていないのだが──やはり消え入りそうな声で言った。
「どこの馬の骨か分からない女の子供なのは、私もよ。公言されてはいないけれど……私も、メイソン公爵夫人の子供じゃないの」
「──ええっ!?」
そのロメリアはイヴに頬を寄せると、じとりとした目をウィリアムに向ける。
「お兄様こそ、お呼びじゃないのにどうして来たんですの? お呼びじゃないのに」
「二回も言うな。イヴなら心配ないと言ったんだが、ジュニアがどうしても納得しなかったんだ」
そのジュニアが、だって! と声を張り上げた。
「イヴさんのことを、どこの馬の骨か分からない女の子供だって……」
「「「「──は?」」」」
「ふぎゃっ……お、俺が言ったんじゃないんですよぉ!」
「はいはい、うちのカワイイ孫がごめんなさいねー。殺気をしまってちょうだいねー」
ウィリアムとオリバー、ロメリアとクローディアの鋭い視線が、元々の発言の主ではなくジュニアに突き刺さる。
震え上がる彼を、マンチカン伯爵が慌てて庇った。
当のイヴは、平然とした顔で口を開く。
「私は別に、あんな風に言われても傷ついたりしませんよ。だって、ルーシアさんの暴言はだいたい自虐ですし……」
「えっ、自虐って……?」
首を傾げるジュニアに、ルーシアはイヴの陰に隠れて──実際はイヴより上背があるため全然隠れられていないのだが──やはり消え入りそうな声で言った。
「どこの馬の骨か分からない女の子供なのは、私もよ。公言されてはいないけれど……私も、メイソン公爵夫人の子供じゃないの」
「──ええっ!?」