「い、いつものことながら、全力で遊ぶなぁ……」

 半年前まで勤めていた猫カフェにおいて、老若男女が猫にメロメロになる光景は数えきれないほど見てきたが……

「ここまで人目も憚らずデレデレできるの、逆にすごいな」

 とはいえ、軍服おじさん達の乱痴気騒ぎを廊下を行き交う人々の目に晒すのは忍びない。
 私は、お茶のセットが載ったワゴンを部屋の中に引っ張り込むと、慌てて扉を閉めた。
 なんとか、彼らの沽券を守れたことにほっとしていると……

「──遅いぞ、タマ! 一体どこで油を売っていた!」

 鋭い叱責の声が飛んできて、私はひゃっと首を竦める。
 入室の許可を出したのと同じ声だ。