「「「「「「はわぁあああ……モフモフうううっ!」」」」」」


 六重奏の野太い歓声が響く。
 私が抱えていた毛玉は扉を開けてくれた男性のムキムキの腕に移り、他の面々がそれを囲んで表情筋を崩壊させていた。
 それぞれの手には、紐の先に鳥の羽根を束ねた猫じゃらしや、毛糸のボール、鼠や鳥のぬいぐるみなど、猫の興味を引くようなオモチャが握られている。すると……

「にゃあん」

 愛らしい鳴き声とともに、毛玉からにょきにょきっと四本の足が飛び出して宙を掻いた。クリームパンみたいなその先には、ピンク色をしたプニプニの肉球が付いている。
 大きな毛玉に見えていたのは、丸々とした体型のネコだったのだ。

「「「「「「はわわわわわ……!!」」」」」」

 頬を赤らめて震えるおじさん達を、つぶらな金色の瞳がぐるりと見回す。
 ブリティッシュロングヘアっぽい、足が短めの長毛種である。
 さらに、そのお腹の毛の間から白いものが五つ、ポンポンと飛び出し、周りを囲んでいたおじさん達それぞれの腕へダイブした。
 彼らの片手に乗るくらい小さい、真っ白くてふわふわの子ネコ達だ。

「「「「「ミーミー、ミーミー」」」」」

 たちまち可愛すぎる大合唱が始まった。
 子ネコ達のつぶらな瞳はうるうるとしていて、見慣れた私でさえ庇護欲を掻き立てられる。
 それらにキュルルンと見上げられた男性達は──一斉に身悶えした。