私は誰かを好きになれても、こんなふうににはなりた

くないなと思いつつも席に着いた。

私には無関係。無視しよう。そう思っていたけど、喧

嘩している男の人の方は一体どんな人なのか気にな

り、ちらっと見てみた。

真っ黒の髪に、二重の目。街でも歩いたらスカウトの

一つや二つすぐに来るんじゃないか思うぐらい美形だ

った。

最近テレビによく出てる蘭君に似ているなぁなんて思

っていた。

恋という気持ちを知らない私でさえ、かっこいいと思

ってしまった。

「ねぇ!!なんとか言ってよ!!」

どんどんヒートアップしていく。

あーあ。私とんでもないクラスにきてしまったなぁ。

これからどーしよ。やっていけるかなぁ....。

せっかくの入学式なのになぁー。

私は逃げるように文庫本の中の世界に入って行った。