ほめられたのが嬉しくて、花壇に咲くひまわりのように――下げていた顔が、自然に上をむく。

「私の記憶違いでなければ、猫又はもう少し穏やかな性格だったはず。
 何かしらの理由があって、あれだけ凶暴化しているのだと思います」
「なにかしらの理由……?」

「はい。なにかしらの理由です」
「……」

「……」
「……」

 その「理由」とやらは、どうやらカーくんにも分からないみたいだった。

「と、とりあえず!
 猫又を、可愛いにゃんこに戻してあげればいいって事だよね?」
「そうです。主は、キキの事も、私の事も【浄化】という方法で助けてくださった。
 それは主にしか出来ないことです」
「そ、そうかな……?」

 そう言われると、照れくさいやら何やら。

 千景くんには「甘い」と言われる【浄化】。
 それは、わたしの取り柄なのかな?
 わたしの長所って、言っていいのかな?

「……」
「主」

 わたしが黙っていると、カーくんがわたしの手にスリリと頭を寄せてくる。