猫又は、白と茶色がまだらに混ざった体の色。
 しっぽは、白と茶色で一色ずつ分かれている。

「猫又って、人間に呪いをかけれるほど強いの?」
「強いですね。でも妖怪の中の“最恐”は、さんもと、」

 ドガッ

 いきなりの、すごい音!
 わたしとカーくんは、同時に猫又を見た。

 すると猫又が、千景くんとキキを攻撃している!
 二人を踏み潰そうと、巨体に似合わない速さで、前足を動かしていた。
 あんな巨大に潰されたら、二人とも無事じゃ済まないって!

「カーくん、二人を助けに行こう!」
「お待ちください、主。いま主が出ていっても意味ありません」
「ん!?」

 今なんて言った!?
 カーくん、なかなかの辛口だ!

 だけど、その通りなだけに……シュンと肩を落とす。

「わたしって本当、何も取り柄が無いんだなぁ……」
「いえ。主には、すごい力がありますよ」
「え」

 これがアメとムチ……!
 カーくん、使いこなしてるね!