「じゃあ、さっき猫又が“見つけた”って言ったのは……。
 自分が呪いをかけた千景くんを、ずっと探していたって事?
 だとしたら――」

 猫又は、どうして千景くんを探してたんだろう?
 まさか、いずれ食べようとしてマーキングしていた……とか?

「猫又って、ネコを食べるの!?」

 ヒィィ!と小さな悲鳴が出る。
 すると顔を青くしたわたしの横に、バサリとカーくんが現れた。

「カーくん、来てくれたんだね!」
「主がお困りの様子だったので」
「ありがとう、助かるよ~」

 カーくんは、やさしく瞳を細めた。
 次に、猫又を見る。

「猫又ですか。これほど妖力が強いとは。さすが大妖怪ですね」
「今更なんだけど。大妖怪って、妖力が強い妖怪のことで合ってる?」

 カーくんは頷いた。

「力がある妖怪は、自ずと有名になります。
 力がある→有名になる→大妖怪と呼ばれる、と言う流れです」
「な、なるほど」

 ゴクッとツバを飲み込み、猫又を見る。