ポツ、ポツ

 キキの予言通り、雨が降り始めちゃった!

「わー! 雨だ! しかもメチャ激しいやつだよー!」
「主! 急いで帰りましょう!」
「そうだけど……でも!」

 仔猫を見る。
 すると仔猫は、まだまだ一生懸命バナナにかぶりついていた。

 いずれ満腹になるだろうけど……。
 あの小ささで雨に打たれたら、寒くてこごえちゃうよ!

「キキ、わたしのランドセルから下敷きを出してくれる?」
「はい!」

 キキに下敷きを出してもらってる間に、スカートのポケットに入ったハンカチとティッシュを取り出す。

「主、下敷きです!」
「ありがとう!」

 仔猫の下に、ポケットティッシュを、まるごと一つ置く。そして、仔猫にハンカチをかけた。
 あとは、下敷きを上手くたてれば……よし。
 即席の雨宿り、できあがり!

「これで濡れないよ!」
「……」

 自分の下や上を、キョロキョロ見ている仔猫。
 そして、どうやら自分に害をなすものではないと分かると、再びわたしをジッと見つめた。