「えっと、えっと~!
 カーくん! キキを助けてあげて!」

 するとわたしの目の前に、カラスのカーくんが現れる。

「カーくん!」
「主、おまかせを」

 キキと同様、わたしを「主」と呼んだカーくんは、すごいスピードでニワトリからキキを救出した。
 よかった~、これで一安心!

「カーくん、ありがとう!」
「主のためなら、いつ何時でも」

 わたしの元へ、キキを届けてくれたカーくん。
 やさしい目を向けた後、すうっと消えていった。

「アイツ、すぐ消えんだな。
 むしろ――」

「何でコイツは消えねーんだ?」と、ニワトリのヨダレがつくキキを見る千景くん。

 キキ本人に聞こえるから!
 悪口はダメ、絶対!

「主! アイツを倒す許可をください! 」
「おー、やってみろよ。タヌキ」

「お前こそ、今はネコだろうが!」
「うっせーよ! 元は人間だ!」

 わたしの腕の中で、二人はギャイギャイとケンカを始めた。

「ケンカするくらい元気なら、自分で走ってよ! 二人ともー!」