「探すテマがはぶけたぞ。後ろみてみ」
「後ろ?」
ネコ千景くんに言われて後ろを向く。
すると――
「に、ニワトリ!?――に食べられてるキキ!?」
なんと、ゾウほどある大きさのニワトリが、くちばしでキキをついばんでいた!
なんとも迫力ある仁王立ちで、わたし達を見下ろしている!
「き、キキー!?
ちょ、ちょっと千景くん! キキが食べられてるよ!」
「マズそうなのに、よく食えるな」
「そーゆー問題じゃなくって!」
するとネコ千景くんは「仕方ねぇな」と、ため息をつく。
そして肉球のついた手で【滅】の構えをした。
「これが一石二鳥ってやつか。妖怪を二体まとめて消せるなんてな」
すると食べられているキキが「小童、覚えとけよ!」と怒鳴る。
良かった! キキ、まだ元気そう!
「だけど、話も聞かずにニワトリを【滅】ってわけには……」
「またソレかよ。めんどくせぇなぁ」
「だ、だって!」
もしかしたら、キキやカーくんみたいに、人間のせいで妖怪になったのかもしれない。
それなら、祓うんじゃなくて、話を聞いてあげたい。
それで心が救われるなら――