「花りんちゃん、顔が赤いよ? 大丈夫?」
「へ、へへへ、へーきですさ!」
「ふふ。“ですさ”ってなに?」

 顔に手をやって、クスクス笑う休田静ちゃん――じゃなくて、静ちゃん。
 はじける笑顔を浮かべる静ちゃんを前に、わたしは……。

「あ、あのさ。静ちゃん……」
「ん?」
「……っ」

 ――わたしと話して、クラスの人の目とか大丈夫なの?

 そんなひどいことを思っていた。

 だって「こわがりちゃんと話してるのかよ~」ってクラスの皆から、静かちゃんがからかわれそうで……。
 もしそうなったら、静ちゃんに悪いもん……。
 静ちゃんは、そういうの気にしないのかな?

「どうしたの? 花りんちゃん」
「えっと……」

 わたしと話してて大丈夫?なんて。
 すっごく勇気がないと、できない質問だ。

 わたしはこわがりで、臆病者だから……できない。
 妖怪には立ち向かっていけるのに、どうしてクラスメイトには言いたいことも言えないんだろう……。
 わたし、やっぱりダメダメじゃんー!

 チーン――

 自分の意気地のなさにがっくり肩を落とす。
 すると、その時。