「それに、人間の友達をつくりゃいいのに、妖怪の仲間ばかりポンポン増やしやがって」
「そ、それは言わないで……!
あ、でもでも! 人間の友達なら、もういるよ?」
わたしの言葉に、千景くんが「まさか!」と顔を青くした。
「まさか、タヌキが人間に化けた姿ーーアレの事を、友達って言ってるわけじゃねーよな……?」
「失礼な! キキはキキだよ。
そうじゃなくて……。
わたしの友達は、ちゃんと隣にいるでしょ?」
「……へ?」
千景くんは、わたしの周りをグルリと見る。
だけど、そこには千景くん一人しかいない。
「もしかして、俺?」
「そう! わたしの友達第1号! あ~じゃなくて。
一応、2号ってことで……」
「はぁ!? 聞いてねーぞ!
それに2号ってなんだよ!
”一応”って、なんだよ!」
わたしに詰め寄る千景くんを、遠くから目ざとく見つけたキキ。
怖いモノなしというか……勇かんにも、身を乗りだした。