「さっきも言ったが、俺は妖怪に呪いをかけられた。
 その呪いを解く方法は、妖怪しか分からない。
 となると、妖怪と接触して話を聞くしかねぇって事だ」
「それは……大がかりだね」

 途方もない話に、目が点になる。
 千景くんも、そう思っているのか「だろ?」と。
 だるそうに腕を組んで、わたしを見た。

「だから、ちょうど助っ人を頼みたかったんだ。
 妖怪が視える、人間の助っ人をな。俺も妖怪は見えるが、何にしろ数が多い。手分けして探せるなら好都合だ」
「あ~……」

 それで、わたしが選ばれたんだ。
 確かに、魔王からしたら、なんとも「ラッキーな話」だよね。
 でも、わたしからしたら……

「アンラッキーすぎる……!」

 要は――
 妖怪が視えるわたしを利用するって事だよね!?
 妖怪に「呪いの解き方知ってますか~?」って直接きけって事だよね!?

 しかも、わたしは妖怪にからまれやすいから、Gホイホイ的な使い方もできる。
 この魔王、わたしをエサに、妖怪をおびき寄せる気だ!