「そうじゃなくて!
 わたし、千景くんの妖怪探しを手伝ってから……良いことばかりだから」
「良いこと……?」

「うん。キキとカーくんと仲間になれたし、千景くんとも、こうやって話せるようになったしね!」
「花りん……」

 だからさ、千景くん。

「また二人で、妖怪探しをしようよ!
 そして絶対、呪いを解く方法をみつけよう!」
「……」

 何も言わない千景くんは、フキゲンな顔でわたしを見た。
 そして――

「バーカ」
「へ!?」

 いきなり悪口!?
 それはあんまりだよ、千景くん!

 すると千景くんは腕を組み、わたしを見下ろした。
 何やら言いたいことがあるみたい……?

「さっきの、マジでヒヤヒヤしたぞ」
「さっきの?」

「こわがりとか言われてるくせに、猫又に突っ込んでいくなんて……。
 お前、怖いものなしじゃねーか」
「え……?」

 こわいものなし?
 こわがり花りんって言われてる、このわたしが?