「仲間になったら、たくさん話そう。たくさん笑い合おう。
猫又のことを、もっと教えてほしい。だから――
あなたが仲間になってくれたら嬉しいな!」
『俺が、仲間……』
猫又は、千景くんから羽交い絞めを受けるキキを見る。
その時、千景くんの顔に、ひじょ~にダークな笑みが浮かんでいた。
あれは……キキの危機だ!
ダジャレじゃなくて、本当に!
『仲間とは、あんな事もするのか?』
「け、ケンカするほど仲がいいって言うからね!」
「ああいう関係を仲間っていうんだよ!」って、自信をもって言えない。
”仲間の例え”にするには、マズイ二人だったかも!
不安になっていると、猫又は「フッ」と笑った。
そして空気が抜けたみたいに、体がどんどん小さくなっていく。
そして、普通のネコちゃんの大きさになった。
しっぽが二つに分かれた、白と茶色がマーブル模様のきれいなネコ――
『俺は、仲間と楽しく過ごした事がない。
だけど、あの二人を見ていると……仲間と一緒にいるのは、きっと楽しい事なんだろうと、そう思える』
「え……そう? なら良かった」
キキと千景くん、グッジョブだよ!
猫又が「楽しそう」って言ってくれたよ!