「主~お助けをー!」と断末魔を残して、キキは千景くんに連れて行かれる。
……大丈夫かな?
心配だけど、わたしはわたしでやる事があるから……ごめんね、キキ!
わたしはカーくんを肩に乗せ、猫又の目と鼻の先まで近づいた。
「ねぇ、猫又」
『……なんだ』
「さっき、仲間がほしいって言ってたよね」
『……あぁ、言った』
「ならさ」
スッと、猫又に手を伸ばす。
「わたしたちと、仲間にならない?」
『は……?』
猫又は「訳が分からない」という目で、わたしを見た。
「わたしの肩にいるカーくんも、向こうで人間に化けてるキキも……みんな妖怪だよ。
でもね、わたしを慕ってくれる。
みんなの事を、今までどう呼ぼうか迷ってたけど……今ならハッキリ分かる。
それはね――仲間だよ」
『仲間……?』
「うん。困った時は助け合って、嬉しいときは笑い合う。
そういう関係を、仲間っていうの。
そしてね、猫又。
わたし達は、猫又と同じネコになる事は出来ない。
だけど、仲間になる事は出来るんだよ」
『!』
でも――と戸惑う猫又。
わたしは猫又の顔に、ボフッと抱きつく。