「でも、どれだけキツい事を言われても……千景くんをココにいさせるわけには、いかないよ」

 猫又は、千景くんを狙っていた。
 それなら、千景くんはココから離れてないとマズイ気がする。

 大丈夫。
 千景くんがいなくても、なんとかなる!
 いや、絶対、わたしが何とかする!

 すると、わたしの隣に、静かにキキが並ぶ。
 ヤル気(と不安)に満ちたわたしの顔を見て、ニコリと笑った。

「立派な顔つきですね。それでこそ我が主です。それに心配なさらずとも、僕がおりますから任せてください!」
「キキ!」

 そうだよ、わたしは一人じゃない!
 キキがいる! カーくんもいる!

 ――と喜んだのも、つかの間。

 バシッ

 キキは猫又のしっぽが当たってしまい、ぴょーんと。再び遠くに飛ばされてしまった。

「主~、お助けください~ぃ!」
「キキ!? 退場が早すぎるよー!」

 もう見えないほど小さくなってしまったキキ。
 あぁ……、どうして、こんなことに!

 だけど、悲しんでいるヒマはない。
 まずは猫又を落ち着かせないと!