「俺は、とある呪いをかけられた。
 その呪いを解きたいんだ。
 でも、その方法が分からない。
 だから、俺の呪いを解く手伝いをしてほしい」
「……はぁ」

 現在、一時間目。
 校舎裏。
 わたしと千景くんは、授業を休んで話をしていた。
 すると、いきなりブッソ―な話題……。

 ゴクリ

 ただならぬ内容に、思わずツバを飲み込む。

「誰に、呪いをかけられたの?」
「俺に呪いをかけたのは人じゃねぇ。妖怪だ」

「……へ?」
「妖・怪」

 クラッと、めまいがした。
 呪い、妖怪――
 出来れば、聞き間違いであってほしい……!

「わたしは、妖怪なんて視えないよ?」

 ここで「小羽花りんは妖怪が視えるヤバい奴」なんて思われたら、イヤだもん!
 だから、すぐサマ、知らないフリをした。
 だけど……

「妖怪が視えないヤツは、最初、”妖怪なんていない”って言うらしいぞ。
 ”視えない”って言う奴は、妖怪の存在を知ってるヤツだけだ。
 やっぱお前、妖怪が視えてるな?」
「!」

 しまった! カマをかけられた!
 この魔王、イケてる顔で、なんつーえげつない事を……!