「なんで私の作ったお菓子だけ、中条くんは甘く感じるんだろう」

「なんでだろうね、理由は分からないけれど……僕はもう、桜さんが作る甘いお菓子と、そして……桜さんから離れられないよ。すごく好き」

 中条くんに、そんなにたくさん好きって言われたら、溶けそう。 

 私ももう、中条くんから離れられないよ――――。


☆。.:*・゜

「実は私、将来お菓子を作るお仕事がしたくて。お菓子を作るのが好きだからっていう理由だけどね、いっぱい『美味しい』って言われたいな!とも思っていたの。もう、中条くんのおかげで、叶っちゃった!」

 しかも特別な人に、たくさん言ってもらえた。

「僕はこれからもいっぱい『美味しい』って言い続けるよ! だって本当のことだから」

――中条くんが、大好き。

 ずっと私が作った甘いお菓子を食べて、キラキラしていてほしい。
 ずっとずっと中条くんと、一緒にいたい。

 これからもずっと、中条くんのために甘いお菓子を作り続けるから。もっと美味しいお菓子が作れるように、がんばる!

 とりあえず……。

「明日は中条くんが一番好きなイチゴのショートケーキ作ろうかな?」

 私がそう言うと、中条くんは「食べたい!」って言って、目をキラキラさせた。