「愛している」

 譫言のように愛の言葉を呟くと、リエートはそっと目を閉じて────朱里にキスした。
それを合図に、どこからともなく拍手と歓声が巻き起こる。

「おめでとう、二人とも!」

 私もお祝いの言葉を掛けながら、力いっぱい手を叩いた。
『どうか、二人の未来が幸せで溢れていますように』と願いながら。

 私、ヒロインに転生して良かった。
だって、この世界に来てなかったらこんな幸せな結末は見れなかっただろうから。
────そう思えたのは、朱里達のおかげだよ。本当にありがとう、私と出会ってくれて。

 『大好き』と心の中で言い、私は喜びに満ちた笑みを浮かべた。


【END】