「ありがとうございます。そう言っていただけて、とても嬉しいです」

 そう言って少し腰を浮かせると、私は両手でリエート卿の頬を包み込んだ。
途端に赤面する彼を前に、私は

「単刀直入に申し上げますね────私もリエート卿のことが、好きです」

 と、想いを告げた。
彼のことを見習うように、飾らない言葉で真っ直ぐと。

「横に並んで歩いてくれる貴方が、同じ目線に立って物事を考えてくれる貴方が、幸せや苦しみを分け合ってくれる貴方が大好きです。心から、愛しています」

 言葉にする度溢れてくる想いを笑顔に変え、私は精一杯の愛を伝えた。
すると、リエート卿は大きく目を見開き────何かを堪えるように唇を噛み締める。
が、堪え切れなかったようで目に涙を滲ませた。

「俺も……俺も好きだ。愛している」

 一語一語しっかりと発音して返し、リエート卿は私の手に自身の手を重ねる。
と同時に、ギューッと強く握り締める。
まるで、『離さない』とでも言うように。