「────告白のお返事をしてもよろしいでしょうか?」

「……えっ?」

 鳩が豆鉄砲を食らったような顔で固まるリエート卿は、完全に呆気に取られている。
瞬きすらせずこちらを凝視する彼の前で、私は『やっぱり、急すぎたかしら?』と後悔した。
が、もう後の祭りである。

「こんな時に言うのも何かと思いましたが、早い方が良いかと思って……ダメでしょうか?」

 『ダメな場合はまた日を改めます』と言うと、リエート卿は勢いよく身を乗り出した。

「いや、全然ダメじゃない!急で驚いたけど、その……ちゃんとアカリの気持ちを知りたいから!」

 真っ直ぐにこちらを見据え、リエート卿は僅かに表情を強ばらせる。
失恋の可能性を考えて、少し不安になっているのだろう。
でも、サンストーンの瞳には期待も滲んでいて……両想いの可能性を強く望んでいるようだった。
ゴクリと喉を鳴らす彼の前で、私はふわりと柔らかい笑みを浮かべる。