「お気持ちは嬉しいですが、そんなに気負う必要はありませんわ。リエート卿がミスをした時は、パートナーの私がカバーしますから」

 『何もかも全部一人で背負い込む必要はない』と主張し、繋いだ手をギュッと握り締めた。

「お互い助け合いながら、パーティーを楽しみましょう?せっかく、私達のために開いてくれたんですから」

 『楽しまなきゃ損です』と述べる私に、リエート卿は僅かに目を剥き、ようやく表情を和らげる。

「そうだな」

 ギュッと手を握り返し、リエート卿は肩の力を抜いた。
いつものペースを取り戻したのか、もうあまり緊張していない。
『それにしても、マジで人多いなぁ』と驚く彼を前に、私は目を細めた。

 リラックス出来たようで、良かったわ。

 などと思っていると、リエート卿が壁際に立つ金髪の男性を見てゲンナリする。