「お前のような脳筋に、リディアのパートナーは務まらない。大人しく、引き下がれ」

「絶対に嫌だ!てか、今後のことを考えたら兄妹で出席するより、俺と出席した方がいいだろ!」

 『変な虫が寄ってこない!』と強気に言い放ち、リエート卿は断固拒否の姿勢を見せる。
ここまで頑なになるのは珍しいが、兄だって負けておらず……

「そんなの兄妹以上の関係を匂わせれば、済む話だろ」

 と、真顔で反論した。
ある種の宣戦布告とも捉えられる発言に、リエート卿は面食らう。

「なっ……なっ!?お前、腹を括ったのか!?あれだけ、思い悩んでいたのに!?」

 兄の恋心を知っていたのか、リエート卿は『マジかよ!?』と叫ぶ。
まばらではあるが、一応周囲に人も居るというのに。
『もう少し声のトーンを抑えた方が……』と苦笑する私の前で、リエート卿は後ろへ少し仰け反った。