「大好きよ、アカリ。だから、この役目だけは……貴方を助けるという役目だけは、絶対に誰にも渡さないわ。私だけのものよ」

 『共鳴』を使用した後悔など微塵も感じさせない態度で、リディアは断言した。
かと思えば、目に涙を滲ませる。
『やはり、ここに残りたいのでは!?』と心配する私を前に、彼女は真っ直ぐにこちらを見据えた。

「もうそろそろ、お別れの時間みたいね。もっと一緒に居たいのに、残念だわ」

 握った手をゆっくりと離し、リディアは一歩後ろへ下がる。

「憑依じゃなくて、もっと別の方法で貴方に会いたかった」

 別れを惜しむように唯一の後悔を吐露し、リディアは後ろで手を組んだ。
かと思えば、兄達の方を見る。