全く……何でよりにもよって、あんなポケ〜ッとしている子が私の体に……。

 感受性豊かでよく笑う少女を見やり、私は一つ息を吐く。
でも、不思議と不満はなかった。
私のために泣いてくれたあの子が、とても眩しく見えたから。
ただ、心配なだけ。
『普通はあんな扱いを受けたら、ショックの筈』と思案する中、あの子は……アカリはどんどん周りを変えていった。
私には成し得なかった偉業をやり遂げだのだ、当たり前のように。

 何で……私の掴めなかった幸せを掴んでいるの?私だって、関係を改善しようとたくさん努力したのに……どうして?
あの子ばかり、ずるいわ。

 ────と、アカリを羨んで……妬んでいたのは最初だけで、直ぐに周囲の人間の方を羨むようになった。
だって、大好きな(・・・・)アカリと話して触れて関わっているから。
天へ昇ってしまった私では、絶対に出来ないことなのでとても羨ましく感じた。