この顔……まさか────

「────リディア……!?」

「ええ」

 間髪容れずに首を縦に振る少女は、実に淡々としていた。
おまけに表情も乏しい。
『リディアって、想像以上に大人っぽい子ね』と衝撃を受けつつ、私は少し嬉しくなる。
だって、やっと恩人に……一番会いたかった子に会えたから。

 でも、何でいきなり姿を現してくれたのかしら?
今までどれだけ『嘆きの亡霊』を発動し、呼び掛けても来てくれなかったのに……もしかして、お兄様が居るから?
私だけだと、『対象と縁のある者』という条件を満たせなかったのかもしれない。