「それでは、行って参ります」
無事開いたゲートを前に、私は胸元に手を添えてお辞儀する。
そして、いつものように全員で手を繋ぐと、一斉にゲートを通り抜けた。
後ろから『気をつけて』と呟く陛下の声が聞こえたものの……私はもう振り返らない。
だって、目の前にはもう────魔王ハデスの姿があるから。
「ニクス様、朱里!」
「「分かっている(ます)!」」
麻由里さんの号令に押されるまま、私と兄は大きな氷結魔法を発動した。
まず私の手でここら一帯を凍らせ、続いて兄が氷塊を放つ。
無論、魔王目掛けて。
だが、しかし……
「この程度では、到底僕に敵わないよ」
魔王ハデスは指一本で氷塊を受け止め、たちまち粉々に砕いた。
別に魔法を使ったり、氷塊を叩いたりした訳じゃないのに。
『指先から伝わる振動だけで割ったの!?』と驚く中、兄に腕を引っ張られる。
と同時に、リエート卿が最前線に出て銀の盾を構えた。
無事開いたゲートを前に、私は胸元に手を添えてお辞儀する。
そして、いつものように全員で手を繋ぐと、一斉にゲートを通り抜けた。
後ろから『気をつけて』と呟く陛下の声が聞こえたものの……私はもう振り返らない。
だって、目の前にはもう────魔王ハデスの姿があるから。
「ニクス様、朱里!」
「「分かっている(ます)!」」
麻由里さんの号令に押されるまま、私と兄は大きな氷結魔法を発動した。
まず私の手でここら一帯を凍らせ、続いて兄が氷塊を放つ。
無論、魔王目掛けて。
だが、しかし……
「この程度では、到底僕に敵わないよ」
魔王ハデスは指一本で氷塊を受け止め、たちまち粉々に砕いた。
別に魔法を使ったり、氷塊を叩いたりした訳じゃないのに。
『指先から伝わる振動だけで割ったの!?』と驚く中、兄に腕を引っ張られる。
と同時に、リエート卿が最前線に出て銀の盾を構えた。