「とりあえず、朱里に合いそうなアイテムを片っ端から集めたけど、どう?」

「はい、えっと……凄くいいと思います?」

「何で疑問形なのよ」

「いえ、こういうアイテムを身につけるのは初めてなので……」

 魔法耐性のついた黒いローブやダメージ軽減のネックレス、魔力の流れを補助してくれる黒い羽根の髪飾りなどなど……いずれもサポートに特化したアイテムで、威力上昇などの効果はなかった。
というのも、リディアのスペックを考えると過度なバフは必要ないため。
『貴方と運命の恋を』の真のラスボスとまで言わしめた強さなので、コントロールや防御に重点を置いた方がいいと判断したのだ。

「それは皆同じだって。まあ、今更どうこう言ったってどうしようもないから、別にいっか」

 『今更交換とか無理だから』と言い、麻由里さんはチラリと掛け時計に目を向ける。