「ぁ……その……私は……」

 どう反応していいのか分からず戸惑っていると、リエート卿はいつものように笑った。

「別に無理して、リアクションを取ろうとしなくていい。返事はまた今度でいいから」

 『いくらでも待つ』と述べ、リエート卿はじっと私の手の甲を眺める。

「なんつーか、ただ知っておいてほしかっただけ。俺は本物のリディアとか関係なく、お前が好きなんだよって」

 『幸か不幸か、俺は本物のリディアのことを知らねぇーし』と語り、私の手に額を押し当てた。

「最初から、ずっとアカリだけを見ていた。これはお前にだけ向けられた、純粋な愛情だ」

 私という存在を全面的に認め、リエート卿はそっと顔を上げる。
サンストーンの瞳に、狂おしいほどの熱を滲ませながら。

「俺は何があっても、アカリの味方だから」

 『これは永遠に変わらない』と断言し、リエート卿は手の甲に口付けた。
まるで、自分の言葉に……想いに、誓いを立てるように。