「で、ここからが本題なんですが────私の未来予知は全て前世から得た知識によるものです。なので、正確に言うと予知ではないというか……話せば、長くなるんですけど」

「構わない。詳しく話してくれ」

「はい」

 『元々そのつもりだった』とでも言うように頷き、ルーシーさんは少し手を広げた。

「では、この世界を知った経緯からお話しますね。まず、前世には恋愛シュミレーションゲームなるものがありまして────」

 乙女ゲームの説明からシナリオや分岐ルートのことまで、ルーシーさんは事細かに話してくれた。
羞恥心を必死に抑えながら……。

 よく考えてみると、『貴方と運命の恋を』の説明ってある意味地獄よね。
しかも、攻略対象者である三人を前にしているから内心かなり気まずい筈。

 『私もお手伝い出来たら良かったのだけど』と申し訳なく思う中、ルーシーさんは粗方説明を終えた。
すると、リエート卿が真っ先に声を上げる。

「えーっと、つまり俺達と疑似恋愛するゲームの内容から未来を予知……じゃなくて、知っていたって訳か?」

「端的に言うと、そうですね……」

「あっ、一応私も同じゲームを持っていました。プレイする前に亡くなってしまったので、内容は把握しておりませんが」

 『ルーシーさんだけに恥ずかしい思いはさせない』と奮起し、私は会話に割って入った。
どうにかしてルーシーさんの負担を減らそうと画策していると、レーヴェン殿下が目を細める。

「ふ〜ん?ちなみに二人は誰に恋をしていたんだい?」