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 ────そして、迎えた話し合い当日。
私達は正装に身を包み、緊張した面持ちで皇城を訪れた。
どことなく緊迫した空気を感じ取りながらそれぞれ席に着き、煌びやかな室内を見回す。
今回は極々少数の集まりで、しかも非公式のため普通の客室へ通されたが……どうも落ち着かなかった。

 私、ちゃんと話せるかしら?

 『噛んだり、(ども)ったりしたらどうしよう?』と悩み、私はギュッと手を握り締める。
が、手に持っている鍵の存在を思い出し、慌てて力を緩めた。
うっかり曲げてしまったら不味い、と。

 これはリディアの憑依を話す上で必要なものだから、丁寧に扱わないと。

 手のひらにある鍵を見つめ、私は『とりあえず、大丈夫そう』と安堵する。
────と、ここで部屋の扉が開かれた。